35.工学部 杉山俊幸教授

2014-06-01

今月のCoの花さん6月号(Part1

 「今月のCoの花さん」は、出産・育児・介護といったライフイベントと研究活動を両立してきた諸先輩方や、研究者としてのロールモデルをご紹介するコーナーです。 

今回は、梨大工学部の学部長であり、土木環境工学科の教授でもある杉山俊幸先生です。かれこれ二十年程前は、奥様とともにお子さんの子育てに奔走していたというステキ先生です! 

◎杉山俊幸先生のご紹介

専門分野:構造工学・地震工学・維持管理工学 (橋梁工学)

所属:大学院医学工学総合研究部工学学域社会システム工学系(土木環境工学)、工学部土木環境工学科

 

 

・こんにちは!土木の杉山先生といえば、当室コーディネーターも学生時代にお世話になったと伺っております。その杉山先生と言えば、橋!というイメージなんですが、あっていますか(笑)?

 

あっていますよ(笑)専門は、構造物で特に橋です。橋梁工学とか構造信頼性設計といったものです。橋梁工学というのは、例えば道路橋や鉄道橋といった橋は、車や電車が通過すると振動するし、騒音が発生するでしょう?その振動や音の発生するメカニズムを解明して、防止対策を考えるという研究です。橋を作ってみて騒音を測ったら「これじゃ~うるさいから作り直し!」なんてことはできません。そこで施工前に振動や騒音を予測することができるように3次元解析プログラムを駆使した精度の高いシミュレーションシステムを開発しています。

構造信頼性設計というのは、橋の設計法に関する研究、と言って通じるでしょうか・・・?

 

・・・・・・・すみません、通じておりません(^^;)

 

橋の性能を確保しつつも橋梁エンジニアの創意工夫が十分に生かせる設計法を検討しているんですが・・・まあその他にも周波数や振動、音響などに関連したことなどにも携わっています。

 

・なるほど。…他分野出身の私(筆者は機械工学分野出身)には、理解がなかなか追いつかないところがありますが、橋は造られるまでにさまざまな角度から検討されているのですね(注:読者の皆さま。研究内容についてあまり深くつっこめない私の知識不足、どうぞご勘弁くださいませ> <;)。

先生はそう言ったことを研究テーマとされている、と。先生と私では、同じ橋を見ても全く違った部分を見ているかもしれませんね。研究のどういったところにやりがいを感じていらっしゃるのでしょうか?

 

そうですね、やはり橋を始めとする構造物は社会基盤の一つですから、みなさんの暮らしをもっと快適にするために役に立てる、社会に貢献できるということはやりがいですよね。

 

・前回の岡村先生も土木分野で活躍されており、やはりそういったことをやりがいと感じていると伺いました。こうしてみると、いろいろな方の想いと活躍に私達の生活は支えられているのですね。さて、杉山先生は、研究以外にはスポーツ、特にバレーボールに対して学生時代からずいぶん熱心だったと伺いましたが。

そうですね。中学、高校とアタッカーとして熱中していました。今でも鮮明に覚えているのは、中学最後の県大会のこと。アタックを打つ際、突如、相手ブロックの手とその後ろで構えているレシーバーの姿が見えたんです。空いている所に打てばよいと即座に判断しアタックを決めることができたんです。これ以降、プレーの幅が拡がり1ランク上のプレーができるようになりました。バレーボール、特にアタッカーの醍醐味でしょうか。その後も大学時代は女子大のバレー部コーチをし、山梨大学に赴任してからも梨大の女子バレー部の顧問をしています。32歳までは山梨教員というチームでプレーもしていました。審判員資格や指導員資格も持っています。

 

・おお、すごい!県大会のお話は強烈な成功体験の一例ですね!

 

私にとって研究って、この経験に少し似ている気がするんです。わからないことが解けたときの、その次のステージに行ける感覚は。…まぁ、スポーツに関しては、ここ数年はさすがにハードなものはしなくなりました。今でもジョギングなどをして体を動かしてはいますけどね。

 

・研究とスポーツがリンクしているなんて、驚きです。研究がぐっと身近なものに感じました。

 

実際、身近なものですよ(笑)でも県大会みたいな強烈な「やった!」という感覚と同じものを感じる時もあるし、「うまくいかない、なかなか進まない」という感覚…、育児の時と同じでしょうか、そういう感じの時もあります。…いや、育児の方がうまくいかないレベルが上ですかね。

 

・おお…、杉山先生は、ご家庭では育児もずいぶんされていたという情報があるのですがそのあたりはいかがですか?

 

もう二十年も前の話になりますが、いいですか?私の家庭は共働きで妻の勤務先の方が遠かったので、保育園や小学校のお迎えなどは基本的に私が行くことが多かったんです。子どもは4人いますが、幼少期は夜泣きをしたり、病気にかかったりって多いじゃないですか。出張の日に限って保育園から「お熱がでたからお迎えに来てください」と連絡がくる。重要な会議の日に限って小学校から「具合が悪いようなので引き取りに来てください」と連絡がくる。こういうときはもう、私と妻とでちょっとした喧嘩です・・・結局私がお迎えに行くことになるんですが(笑)。研究というのは仮説をたててもなかなかその通りにいかないものなのですが、育児というのはもっと“その通りにいかない”ものだと痛感しました。でも今となっては貴重な経験だったと思います。子どもが成長する様子を目の当たりにすることができたし、育児と仕事の両立の大変さを身をもって知ることができましたから。

 

・その経験は、「ワーク・ライフ・バランス」というキーワードにもつながりますね。

以前、新聞で読んだコラムによると、「これまでの日本は、仕事の知識やスキル不足を「労働時間(残業)」によって埋め合わせてきた。しかし育児・介護等を理由に時間的制約のある労働者、すなわち残業できない労働者が増えている。この事態を「福利厚生」的対処か、それとも「経営戦略」的対策をとるかで企業の未来が大きく変わる。」んだそうです。これには、なるほど、と思いました。ワーク・ライフ・バランスを考えることは、時間の使い方、もっと言えば人生設計を考えることなのかもしれないですよね・・・なんか、ずいぶんと大きい話になってしまいましたが、こんな話で大丈夫ですか?!

 

・大丈夫ですよ!(笑)経験者がおっしゃるからこその説得力でもあると思います。

ワーク・ライフ・バランスは近年、話題となることが多いキーワードですよね。是非、学生さんたちにも考えていただきたいところでありますが、今回はここまで!

次回は工学部長としての熱い思いをご紹介します!