14.科学記者 辻篤子さん(続き)

2013-07-15

2013年7月号(Part 2)

 「今月のCoの花さん」は、出産・育児・介護といったライフイベントと研究活動を両立してきた諸先輩方や、研究者としてのロールモデルをご紹介するコーナーです。

◎辻篤子先生のご紹介

 <所属>朝日新聞社 オピニオン編集部員 科学記者

 <主なテーマ>科学技術、先端医療

 <主な経歴、担当分野、賞、著書など> 神奈川県出身。1979年入社。科学部、科学朝日編集部、アエラ発行室、アメリカ総局などを経て現職。科学技術をめぐる政策や教育、先端医療とその倫理、感染症対策などを担当。人脈記「宇宙にあこがれて」、20世紀を動かした7つのパワーを取り上げた「20世紀からの伝言 ノーベル賞」などの連載を担当。「新訂 新聞学」で、科学技術ジャーナリズムの項を分担執筆。

前回は辻さんが現在の仕事に就くまでの経緯を教えて頂きました。今回は、科学記者というお仕事について伺います。

●ズバリ、科学記者の醍醐味って何だと思いますか?

私が意識しているのは、「科学と人・社会をつなぐ」という視点です。例えば「人は科学なくして生きられない」のは真理だし、「人は社会を形成して生きている」もまた然り。“人”に興味があるんです。“人”が面白い。

 そしてそんな“人”にたくさん出会うことができる。それがこの仕事の面白み、醍醐味だと思います。

 「○○と××は3日やったらやめられない」って言いますけど、私にとっては記者という仕事がまさにそれですね。

 科学と人・社会のつながりについて、特に印象深かった本を紹介します。

       辻さんの書評へのリンク → ブック・アサヒ・コム BOOKasahi.com 

大気を変える錬金術――ハーバー、ボッシュと化学の世紀」著者:トーマス・ヘイガー、渡会圭子、白川英樹  出版社:みすず書房

この本は大気の8割を占める、ありふれた窒素の知られる顔――。ハーバーとボッシュという2人のドイツ人科学者の苦闘を描いた本で、ドラマティックな化学の力と人類の文明を考える一冊です。

「不死細胞ヒーラ ヘンリエッタ・ラックスの永遠(とわ)なる人生」著者:レベッカ・スクルート、中里京子  出版社:講談社

 「ヒーラ」という名前に全く覚えがなくても、実は私たちの誰もがその恩恵を被っているといっていい。彼女の細胞をめぐる、科学と人と社会、とりわけ、人種や貧困などの根深い問題を抱えた米国社会の驚くべき物語です。

この2冊に象徴されるように科学の歴史をめぐる非常にドラマティックな実話はたくさんあります。それを広く皆さんに紹介するのも、仕事のやりがいの一つですね。

●書評委員というのは、実際どのくらいの量の本を読むんですか?勝手な想像ですが、速読スキルとか習得していて一日に何冊も読む、なんていう感じなのでしょうか?

  そんな一日に何冊も読んだりしませんよ(笑)。だいたい2週間で4~5冊を担当します。本は自分で選ぶので自分に興味のある分野の作品を紹介できるんです。読書好きにとっては本当に面白い仕事ですよ。

●では、最後にこれからの若者に対して、メッセージをお願いします。

  そうですね。自分に限界を設けず、チャレンジをして欲しいと思います。

●理系や文系、男女差、科学と社会など、とかく区分けしてしまいがちなものを取っ払って、広く柔軟な視野で記者という仕事に邁進されている辻さんならではの、とても説得力のあるお言葉です。ありがとうございました!

<おまけ話>

●実は、インタビューの間ずっと私の視線を独占していたアクセサリー。大人な女性のさりげないオシャレ感、素敵だわぁ~(゚・゚* ホレボレ 指輪もとぉってもカワイイですよね♪

ああ、これ?ジョージ・ジェンセンというお気に入りのブランドのものなのよ(^^)。

●あのぅ。。。趣味とか伺ってもいいですか?

趣味?そうですねぇ・・・私こう見えて(?)日食ハンターなんですよ。かれこれ8か所くらいは見て回っているかな。中国、アルゼンチン、ブラジル、トルコ・・・ あと車ですかね。たまにレンタカー借りてドライブするのがストレス解消になります。リフレッシュがてら走るのに山梨まで来ることもありますよ。車の技術そのものにも興味があるので、F1とかも好きでサーキットまで行くことも・・・。そうそう、ブラジルに行ったときには、現地の知人に頼んでアイルトン・セナのお墓参りに行ったこともありますよ。

●セナ様! かなり昔ですけど、セナ様が雑誌「アエラ」の表紙を飾ったことありましたよね?当時すごく話題になっていたような・・・あれ?まさか?もしかして会ったことあるとか?

私、そのときアエラ発行室にいて、まさにその担当でした。握手もしましたよ(^^)v  だから、“3日やったらやめられない”んですよ(なんてね 笑)

(前述の書評の中に、セナに関する本(リンク)を発見(^^))