27.生命環境学部 島弘幸准教授

2014-02-01

今月のCoの花さん 2月号(Part1)

 「今月のCoの花さん」は、出産・育児・介護といったライフイベントと研究活動を両立してきた諸先輩方や、研究者としてのロールモデルをご紹介するコーナーです。

◎島 弘幸先生のご紹介

所属:生命環境学部 環境科学科 http://www.ev.yamanashi.ac.jp/

専門分野:物性理論、複雑系科学、食品物理学、スポーツ物理学

HP:http://www.ccn.yamanashi.ac.jp/~hshima/HShima-jp.html

今回は、梨大生命環境学部環境科学科の島弘幸先生です。

先生は北海道出身で、昨年の生命環境学部新設に伴い、ご家族と一緒に山梨へいらっしゃったそうです。

●ご出身は北海道なんですね。長く過ごした北海道を離れて今は山梨にお住まいですが、北海道と山梨って何か違いを感じることはありますか?

  生まれてからずっと北海道で過ごして、ほぼ初の道外暮らしなのですが、それほど違いというものはないですね・・・あまり山梨についての知識というか、イメージも先入観も持たずに来たんです。いざ暮らしてみると、人や雰囲気が素朴で温かくて、住みやすいところと思っています。

●そう言ってもらえると地元の人間としては嬉しいです♪ 山梨大学の印象はいかがでしょうか?

  学生が良い子達ばかりだなって思います。前職は工学部の大学院だったこともあって、まじめで優秀な一方でちょ~っとマニアックなタイプが多い感じがしていました。それに比べ、現職の生命環境学部は広く多角的に学び研究する学部であるせいか、学生はとても素直で元気。フィールドワークや実習など、手足を動かして学ぶことを楽しむ空気が、自然と湧き出ている感じですね。学生同士も皆仲がよくて、教員としても接しやすいです。そういった雰囲気を自分たちで創っている学生達が頼もしいし、こちらも頑張ろうという気になります。

●私も学生さん達とお話しする機会があるんですが、ホントに素朴で気さくでいい子ばかりです♪ 山梨大学甲府キャンパスは教育系、工学系、農学系の3学部なのが、この独特の雰囲気を作るのかもしれませんね。 先生のご専門は物理学だそうですが、いつから物理学の研究者になろうと考え始めましたか?

 かなり早いですよ。実は小学校の卒業文集で、「将来は物理学者になる」と書いたんです。

●小学生から研究者目指していたんですか(驚)!それはいったい何がきっかけで?

 これは後で母から聞いた話ですが、私が幼稚園の頃、冷凍庫の中を濡らしたティッシュで一杯にしたことがあるそうです。驚いた母が私に理由を尋ねると、「濡れたティッシュが凍るとどうなるか知りたかった」そうで。たぶん元から理屈っぽい子供だったんだと思います。あと小学生の時、“相対性理論”を見聞きする機会があったんです。もちろん、正しく理解したわけじゃありませんよ(笑)でも「動く電車の中でボールを投げる」っていうことと「時空が歪む」ということとが関係している、なんて、そんなことを言われたらもうどういうことなのか知りたくなるじゃないですか。それでハマッたというか、興味を持つようになりました。

 

●すごい小学生ですね・・・というか、小学生の時に一生モノの「好奇心くすぐりアイテム」に出会えていることが素敵!「物理」スタートでこの道に進む中、数学での挫折はありませんでしたか?

  大丈夫でした。というのも、小学五・六年でお世話になった担任の先生が、とても上手に算数を教えてくれたおかげだと思っています。今でもよく憶えているのは、円の面積を求める授業。どうやったら円の面積を求められるのか、皆で意見を出し合ってひたすら考える授業でした。四角や三角に分けて数えてみたり、いろいろ試してこねくり回してたりして、最終的に中心角を細くした三角を並べるということにたどり着いたんです。自力で考えて、正解を見つけ出したときのあの喜びというか達成感というか・・・あの体験以降、算数や数学に苦手意識は一切持ったことはありません。すぐ解けずに考え込むことはいつもありますけども。

●成功体験って本当に大切なんですね~。子供のころからその楽しさを知っていたなんてちょっと羨ましいです!文系教科の国語とかはどうでしたか?

  国語も同じくらいに好きでしたよ。少し変な言い方になりますけど、数学や物理より、むしろ国語に憧れや敬意みたいものを感じていました。というのも、今度は高校のときになりますが、部活の顧問だった先生が国語の担当で、とても奥行きの深い先生だったんです。その先生は、物理学を目指す私に対して「第一線で最高の仕事をしたかったら本を読みなさい」と言ったんです。そこでまずは背伸びをして、ロシア文学の四冊組の文庫を買ってみました・・・よほどのことがない限り自発的に手に取ることなんてないであろう(?!)、あの分厚い、小難しい印象の、アレです(笑)。そういった歯ごたえのある本を、噛み砕いて、飲みこんで、自分の血肉にする「顎(がく)力」を身につけなさいと。この時の先生のアドバイスは、社会人になった今でもその大切さを実感しています。自分の考えって自国語で考えますよね。多国語への変換はその先の作業であって、まずは自分の考えを正しく言語で表現できなければ始まらない。だから国語力を養うことは、文系だの理系だの言う前に一番大切なことなんだ、と。あの先生の教えは、今の自分の糧になっています。

●わぁ・・・多くの素晴らしい先生との出会いに恵まれてきたんですね!

 インタビュー当日は初対面だったのに、気付けば旧友に再会したかのような感覚でお話ししておりました(^^) この後、筆者にとって驚きと焦りが連発しちゃいますが、それは次回のお楽しみ!