34.工学部 岡村美好准教授(続き)

2014-05-15

今月のCoの花さん 5月号(Part2

 「今月のCoの花さん」は、出産・育児・介護といったライフイベントと研究活動を両立してきた諸先輩方や、研究者としてのロールモデルをご紹介するコーナーです。

岡村美好先生のご紹介

専門分野:構造工学・地震工学・維持管理工学 (鋼構造工学) ・交通工学・国土計画 (歩行空間のユニバーサルデザイン,福祉のまちづくり) ・リハビリテーション科学・福祉工学 (ユニバーサルデザイン論) ・ジェンダー (土木分野における男女共同参画) ・科学教育 (デザイン教育、問題解決)

所属:大学院医学工学総合研究部工学学域社会システム工学系(情報メカトロニクス工学)、

工学部情報メカトロニクス工学科、医学工学総合教育部土木環境工学専攻、医学工学総合教育部環境社会創生工学専攻

 

・前回は、岡村先生が体験した、理系女性が超少数派だった時代の話を伺いました。トンネルに入れてもらえない、ということを目の当たりにしつつも、先生が土木の仕事に関わり続けてきたのはなぜですか?

 

一つは、「土木」という仕事が好きだから。もう一つは,「土木技術者女性の会」の仲間がいたから。「土木」という言葉の響きからどんなイメージを持っているかは人それぞれでしょうけど、具体的に言うと、まちづくりだったり、エネルギー資源に関する施設づくりだったり、交通や防災や環境に関する全般のことも土木の範疇になる。結構広いでしょ。地図に残る仕事とか,暮らしを支える仕事といわれることもある。社会を支える仕事ってやりがいがあるんだよね。それでも,仕事を辞めようかと思ったことも何度もありました。「土木技術者女性の会」というのは,土木分野で働く女性技術者や研究者で作っている団体なんだけど,そこでの仲間と悩みを共有したり励まし合ったりできたから,これまで続けてこられたんだと思う。

 

・最近、ドボジョという言葉も浸透してきていますが、実際土木系の学生はどんなところに就職するんですか?

 

このスライドみてもらうとわかるかな。さっき挙げたように、大規模なモノを作ったりするわけだけど、その過程のどこに携わるかで公務員や民間企業の建設会社,コンサルタントだったりするし,何を対象とするかで電力・エネルギー関連会社や鉄道会社だったりする。中でも研究者は全般に関わることになるから、やっぱりオススメは研究者かな(笑)。

 

・確かにイチオシは研究者ですよね!(当支援室の趣旨をよくご理解いただけていて恐縮です^o^) ところで、先生は現在情報メカトロニクス工学科ですけど、土木と情報メカトロって、どう関係しているんですか?(申し訳ないけど、ピンとこない)

 

私の専門は,もともとは土木の中の構造工学という分野だったんだけど,いまはユニバーサルデザイン。ユニバーサルデザインについては「すべての年齢や能力の人々に対し,可能な限り最大限に使いやすい製品や環境をデザインをすること」という定義があって,その目的は誰もがその人らしく暮らしていけるまちづくりや環境づくりをすることなんだよね。別の言い方をすれば,ユニバーサルデザインは,ヒトの様々な特性に起因する問題を解決する方法。土木だけじゃなくて情報メカトロニクスに関する知識や技術もあれば,いろんな問題が解決できるようになると思ったわけ。(なみに,情報メカトロニクス工学は機械・電気・情報の知識と技術を融合させることによって新たな統合システムを生み出すための学問です。)

 

・ユニバーサルデザインというと、ついつい文房具かカトラリーくらいしか連想しなかったんですが、そうか、街のデザインも含まれるんですね。「ユニバーサルデザイン」に出会って先生自身もいろいろ考えることがあったそうですが?

 

そう。これまで順風満帆できたわけではないし,女性という理由でいろいろな場面で拒否されると,自分に自信が持てなくなって「どうせ私なんか…」とか「私がばかだから…」って自分自身を否定するようになっちゃった。でも,ユニバーサルデザインに関わるようになってから、「ああ、人と違っていいんだ。私は私のままでいいんだ。」って思えるようになった。それで、とっても気が楽になったんだよね。それから、いろいろな人、新しい世界に出会うことが増えてドキドキ、ワクワクがうんと増えた。これが楽しい!ユニバーサルデザインでは「使いやすく」「わかりやく」って言うんだけど,どこまで便利になればいいんだろう,わかるってどういうことなんだろう,なんてことも考える。これまでバラバラのように見えてたものがつながって,「なんだ,そうだったのか」と理解できるようになる。楽しいよ~(笑)

 

・ご苦労もまた楽し、というところですね。充実感が伝わってきます♪ では最後にリケジョやドボジョの皆さんにメッセージをお願いします。

 

ユニバーサルデザインに出会ったことで高校生のころにあこがれた建築関係の仕事をすることもできたから,自分の好きなこと・ワクワクすることを持ち続けてきて良かったと思っています。思い通りにいかないこともあるけれど、ゴールへのルートは一つではないから,あきらめずにチャレンジし続けて欲しいと思います!それと,ドボジョやリケジョを応援したいと思って、「継続は力なり 女性土木技術者のためのキャリアガイド」という本も作りました。進路に悩んだとき、落ち込んだとき、この本があなたを支えてくれます。ぜひ読んでください!

 

 

・ありがとうございました!

ちなみに、「継続は力なり」は女性研究者支援室で購入してあります。いつでも閲覧OK、貸出もOK!さらに購入希望の方は岡村先生までどうぞ!