21.研究、仕事、ライフイベントをこなす『軸』を持った元教員の大学院生

2013-08-26

今回インタビューに答えてくれたのは、医学工学総合教育部持続社会形成専攻 修士1年のMさん。
実はこの方、小学校・中学校で教員(山梨大学教育学部教育科学科理科専修卒業(現在は改組され教育人間科学部))として勤務され、退職された今年、大学院に入られた経歴をお持ちの“リケジョ”なのです! 

仕事の傍ら研究活動も行い(ご自身は、『研究』の定義に入らない、ただの趣味程度」と謙遜されますが・・・)、そして結婚・出産・仕事復帰と、Mさんの言葉を借りるなら「思ったようにやってきた」、まさに筆者にとっては理想のロールモデル。 『軸』という言葉は、インタビュー後半で出てくる言葉なのですが、まさにこの『軸』という言葉がぴったりハマる、そんな女性です。 

大学、仕事、ワークライフバランス、大学院、そして研究。お聞きしたいテーマが盛りだくさんです。早速インタビューにまいりましょう!

Q:教員を目指したきっかけは何ですか??

A:私が小さかった頃は、女性が就ける職業の選択肢はほとんどありませんでした。中でも、男性と対等にやっていけるのが教員でした。教員という職業は幼いころから既に考えていましたね。
県内という点から山梨大学を選択しましたが、大学では講義は勿論、先生の人柄を学ぶというか、姿勢を学ぶ場だったと思います。まさに、その時のある教授との出会いが私の人生を決定づけたんですよ。(そのエピソードは後程登場)

Q:大学院に入られましたが、当時は大学院への進学は考えなかったのですか?

A:当時、教育学部には大学院がなかったのです。工学部にはありましたけどね。

Q:採用試験をパスし、新任で初めてクラスを担当。いかがでしたか?

A:「大変」の一言ですね。小学2年生31人を受け持ったのですが、何というか、『動物的勘』とでも言いますか(笑)、こちらに余裕がないのを見透かされてしまうのですよね。私自身も経験がないし、子供たちもまだ2年生ですから動きが読めないというか。すこし余裕と言えるものが出てきたのは、40代を超えた頃だったかもしれません。それまでは余裕なんて全くなくて、大変でしたね。

Q:どんな職業でも、特に新入社員(新任)にとっては、理想と現実にギャップがあると思います。教員をやめたいと思ったことはないですか?

 A:それは一度もありません!(即答!)
確かに大変でしたよ。先ほどもお話しましたが、余裕なんてなかなかできるものじゃなかったですし。相手が変わればやり方が変わりますから、いつも必死で過ごしていたと思います。でも同時に、楽しくて仕方なかったですよね。努力したことが、生徒の反応という形で必ず帰ってきますから。
私のケースは稀だと思いますが、小学校も中学校も経験したんです。複式学級も担当したこともあります。

学年でも、クラスでも、そして個人でも、それぞれの雰囲気があって教え方が変わります。

生徒の反応は、自分の結果です。生徒が理解していない様ならば、もちろんやり方を変えなければならないし、でも逆に、「先生、できたよ!」と言われた時はやりがいも感じましたし、本当に嬉しかったですね。その数年後に電話をくれたり、「理科の先生になる!」と連絡をくれた生徒もいました。本当にその夢をかなえ理科の教員になりそうな子もいて、とても嬉しいですね。

Q:それは嬉しい言葉ですね。印象深かった学校やクラスはありますか?

A:どのクラスも印象に残っていますが、特に挙げるとすれば、ある中学校で受け持った2年生のクラスですね。

その学校は当時、所謂「荒れた」学校でした。確かに大変でしたが、「負けたら駄目だ!」って思いました。生徒たちと一対一で話し合ったり、保護者にも協力してもらったりして、夜遅くまで学校にいることもしばしば。当時の教務主任の先生を始め、先生方が一丸となって取り組みました。あの時ほど一体感を感じたことはないと思います。その甲斐あって、その生徒たちが無事卒業を迎えた時の嬉しさはひとしおでした。
その頃でしょうか、地域のその学校に対する印象自体も変わってきた気がしました。そういう変化を感じられたのも嬉しかったですね。

実は、産後に復帰してすぐの赴任がこの学校だったので、最初は少し戸惑いましたけどね(笑)。

Q:結婚され、お子さんもいらっしゃるんですよね。お仕事との両立について少しお伺いしても宜しいですか?産休・育休は取られましたか?

A:最初の子の時は、産休明けすぐに復帰しました。31歳の時に二人目を出産して、その時は9か月の休業を経て復帰しました。私の場合は母と同居していたので、母が子供の面倒を見てくれていました。私が仕事に集中できたのは主人の理解と協力、母のおかげですね。
もちろん、早く終わった日は、夜は家族で過ごすようにしていましたが、私の性格を知っているからか(笑)、子供たちも仕事のことを理解してくれていたようで、文句のようなことを言われたことはなかったです。

今、3年育児休業と話題になっていますが、教員で3年のお休みは難しいかもしれませんね。3年というブランクは長く、職場の環境や仕事の状況はだいぶ変わりますし、取得する本人にとっても、その不安は大きいと思いますから。私は、両立のためには長期の休業よりも、何よりも子供を見てくれる人や場所の確保が重要だと思います。

そう意味でも、家族には本当に感謝しています。

今回はここまで。
次回は、ご自身の研究についてお伺いしました。
研究対象は、ヌルヌルだけどかわいいアイツです^^

お楽しみに~♪